東大航空宇宙工学専攻平成24年航空宇宙システム学(午前)

　東京大学大学院航空宇宙工学専攻平成24年の航空宇宙システム学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

総評

　機体の微小擾乱による影響を考察させる問題です。この手の問題はそこそこ出題されますが、計算量が多いので注意が必要です。但し、解答の方針は大体一定なので繰り返し学習して理解の強化と計算力の向上を図りましょう。

　本問では機体の長周期振動(フゴイドモード)に関する特徴説明が求められていますが、短周期振動の他に、スパイラルモードやダッチロールモードの特性についても説明できるようにしておきましょう。

　特にスパイラルモードは航空機事故にもつながる危険なモードなので、そうした事故はしばしばニュースでも取り上げられます。

　解答の方針検討はそこまで難しくはないと思いますが、第4問の計算量がそこそこ多いです。加えて第1問で求められる数学的処理は知らないと詰んでしまうので…ここは過去問をやり込んでいたかどうかで差が出る一問となりました。

　難易度としては…迷いましたが、標準的な★3つとしました。

第1問

　与式を整理した後、ベクトル成分ごとに整理すれば答えは出せます。

第2問

　セオリー通り、機体にかかる力を図示して整理すれば立式も計算も容易にできます。

第3問

　抵抗係数に関する説明です。ここは知識問題なので、特段解答には困らないはずです。学んだことを簡潔にアウトプットしましょう。必要なら図やグラフを描いてもいいかもしれません。

　このタイプの問題もよく出題されるので、しっかり学習しておきましょう。

第4問

　ここから急に計算が爆発してきます。第1問の結果を利用して計算を進めましょう。なお、基準値からの変動は微小量とみなせるので近似処理が必要です。

　試験本番で残り時間が少ないなら第4問だけ飛ばすというのもありかもしれません。

第5問

　フゴイドモードについてその特徴を簡潔に説明しましょう。