東大 航空宇宙工学専攻 平成18年 航空宇宙システム学(午前)

航空宇宙システム学

 東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成18年の航空宇宙システム学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

航空宇宙システム学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679620e7bfa2872ebcae4fde>

総評

 線形離散時間システムが今回の出題トピックとなりました。これはシステムを動作させるためのパラメータに時間情報が使われており、その時間が整数値(離散的な値)をとる線形システムのことですね。

 機械系の学生にはあまりなじみがないかもですが、デジタル信号処理の分野で使われていたりします。

 名前だけ見るととっつきにくい印象を受けるかもしれませんが、丁寧な誘導になっているので、完答できた受験生もそれなりにいたのではないかと思います。

難易度 ★★☆☆☆

 全体的に見るとかなり丁寧な誘導がついており、それに沿って解答を進めれば得点していけます。制御工学分野の勉強をしっかりしていれば十分対応できる部類の問題だと思います。

 東大の航空宇宙工学科が出題する典型的な出題パターンを考慮すると、題材となっているモデルを数式に落とし込むというステップがない分、難易度は下がっていると考えています。よって本問は易しめの★2つとしました。

解答の指針

第1問

1.

 問題文で与えられた式に対し、状態フィードバックとなる入力情報を代入しましょう。後は問題文に沿って条件を整理すれば答えは出ます。

2.

 1の結果を基にJを計算してみましょう。Σの計算処理をする必要がありますが、解答にたどり着けなかった方は数学の知識が不足している可能性があります。

 間違えた方はミスした原因を掘り下げたうえで、数式に対する理解不足という結論に至った方は数学の基礎固めを先にした方が良いかもしれません。

第2問

1.

 第2問の問題文で与えられた式を基に1の問題文の指示に従って式変形をするだけでOKです。

2.

 この辺りから出題者が受験生に問いたかった内容に入ってくる感じですかね。1で求めた式からシステムが安定となるための条件を割り出しましょう。場合分けも忘れずに!

3.

 1と同様の戦略で対応できると思います。2ができれば3もできるでしょう。

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