東大 航空宇宙工学専攻 平成19年 航空宇宙システム学(午後)

航空宇宙システム学

 東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成19年の航空宇宙システム学(午後)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

航空宇宙システム学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679620e7bfa2872ebcae4fde>

総評

 今回はロケットの飛行特性に関する問題が出題されました。これも非常に大事なトピックですね。

円柱状の物体(ロケット)が回転しながら飛行するときの特徴について着目させる問題でした。

 さて、この問題の出題背景について推測してみます。実はH18年(2006年)は同年度9月の打ち上げをもって、M-Vシリーズロケットの運用が終了となった年でもありました。

図. M-Vロケット(JAXA HPより)

 M-VシリーズロケットはJAXA(宇宙科学研究所)がIHIエアロスペース(旧:日産自動車宇宙航空事業部)と共同で開発したロケットシリーズになります。

 このM-Vシリーズロケットの第四段の姿勢制御にスピン安定方式が採用されていました。

 この技術は後継機であるイプシロンロケットの第3段部分に引き継がれているようですね。

 是非、本問を通してロケットの飛行特性や姿勢制御に対する理解を深めていただければと思います。

難易度 ★★★☆☆

 少しとっつきにくいかもしれませんが、それほど難しい考え方ではないと思いますので、本問を通して理解を深めてもらえれば対策は十分可能かと思います。

 他の問題と比較すれば、手を出しづらいトピックではあるものの、計算量は少なめといった感じでしょうか。過去問演習で対応可能になると思いますので、難易度としては★3つとしました。

解答の指針

第1問

 角運動量保存則を使うよう問題文で指示が出ていますので、それに従って成分表示をして計算を進めれば答えにたどり着けるでしょう。

第2問

 第1問の結果に問題文の条件を入れて計算を進めれば答えは導出できます。

第3問

 グラフ描写の軸選択に少し混乱するかもしれませんが、ロケットはx軸を基準軸としてyz平面内を回転しています。なので、本問の解答例としてはx軸及びyz平面を座標軸の基準としてグラフを描写しました。

 また、ロケットの持つ運動エネルギーの変化に伴う影響についても忘れずに記述しましょう。

第4問

 問題文の指示通り第3問の結果を使ってエネルギー散逸量を算出していきましょう。

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