東大 航空宇宙工学専攻 平成19年 固体力学(午前)

固体力学

 東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成19年の固体力学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

固体力学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679621f8bfa2872edfae50a9>

総評

 梁の大たわみ理論と微小振動を組み合わせた問題が出題されました。いずれもよく出る題材なので、参考書や過去問で演習量を積んでおく必要があります。

 …ただ、本問の後半は計算的にも思考力的にもちょっとしんどいですね…。全7問構成ですが、最低でも第5問までは解ききり、後の2題は残り時間でどこまで手を付けるかを考えるのが良いと思います。

 問題解答の流れとしては、いつも通りの微小領域の図示、力とモーメントのつり合いの立式から始まり、運動方程式の導出、及びその考察、境界条件の整理、固有振動角速度の計算と進んでいきます。

 最後の2題は梁の振動の級数表示に関する考察となっています。

難易度★★★★☆

 迷いましたが、本問の難易度は難しめの★4つとしました。このトピックは多くの受験生が練習をしている題材なので、恐らく第5問位までは正解してくると思います。

 ただ、計算量の多さ、要求されている思考力を踏まえると、第6問、第7問の難易度が高めなので、ここで受験生の間で差がついたと思われます。

 出題者は問題文でヒントをくれているので、これを基に計算を進めていけばよいのですが、数学力で差がついた2題だったのかなと感じました。

解答の指針

第1問

 梁の微小領域の図示をしましょう。その際、梁の微小領域にかかる力、モーメントを整理しましょう。あとは整理結果に従って立式し、微小量を近似すればOKです。

第2問

 曲げモーメントと変位の関係に着目して式計算を進めましょう。最終的に見慣れた運動方程式が出てくると思います。

第3問

 前問で計算したf(t,x)が邪魔ですね。問題文の条件からこの関数を具体化する必要があります。その後は運動方程式を整理して満たすべき条件式を出せばよいですね。

第4問

 今、梁の両端は…単純支持になっていますね。これを基に条件を整理してください。

第5問

 問題文で第2問で出した運動方程式の解を与えてくれています。これを代入して整理していけば固有角振動数は出せそうです。

第6問

 問題文でご丁寧に梁の振動解を仮定してくれています。まぁ、これを運動方程式に代入するんでしょうね。Σが散らばっているので、まずはこれをまとめる方向で式の整理をすると見通しがしやすくなりそうです。後はこの式を整理していけばよいのでしょう。

第7問

 これもしんどい問題ですね。問題文でヒントをくれていて、外力Pはデルタ関数の形で梁へ与えられています。これをどう扱うかがポイントです。

 

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