過去問と解答例の使い方

大学院入試

 以前投稿した記事「東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 専門科目の過去問と解答開示のお知らせ」にて東京大学大学院 航空宇宙工学専攻の院試の過去問とその解答例の商品紹介をしました。

 この記事では私が提供した参考書のお勧めの使い方について記載しておこうと思います。もちろんどのように使っていただいてもよいのですが、どう使ったらいいのか迷っている方向けに使用例を記載していきます。

過去問は初学者が手を付けるには難易度が高い

 院試の入学試験問題はいわばその大学院に入学してよいかどうかを教授陣が評価するためのツールでもあります。即ち、大学学部で学ぶ学術分野において十分な理解があるか、大学院で予定している研究活動をするにあたり、支障をきたさない程度の学力があるかを評価するための問題になります。

 従って、大学学部の授業で理論を学んだばかり、院試の準備を始めたけど専門科目分野の知識がさっぱり抜け落ちている…という方はまず先に初学者向けの参考書で基礎事項の復習をしてから過去問に取り組むとよいと思います。

 一方で、大学の期末試験前や院試の準備である程度基礎が固まっている方は過去問に手を付け始めてもよいと考えています。

最初は時間を測らずに解こう

 過去問をやり始めた頃は学習した内容のアウトプットがどこまでできるかを確認する、及び自身の思考力を養う時期でもあると考えています。そのため、最初は時間を測らずに色々なアプローチ方法を試して、解答を作ってみてください。その際に計算ミスや論理展開に飛躍がないかなどを点検しながらできるとよいでしょう。

 また、必要なら回答をチラ見しながら進めてもいいかもしれません。この時、別解がないかも探すようにしておくとよいと思います。このフェーズでの勉強でなるべく色々な方法を試しておくと、院試前の演習時期に初見の問題に対する対応力が向上するのでお勧めです。

分野ごとに攻略しよう

 年度ごとに過去問を解いてもよいのですが、院試の準備序盤は各科目分野ごとに理解を深めて対応力を培っていった方が結果的に少ない時間で実力が伸ばせると思います。あれこれやると意識も分散するし、必要事項を覚えるのもしんどいと私は感じたので、分野別攻略を私は推奨します。

 過去問を通した学習の中で苦手意識がある分野や未学習事項が識別できたら、適宜他の参考書も利用して学習理解を深めるとよいでしょう。

 また、軌道力学のような問題サンプルが少ないものは他の参考書と併せて学習量を確保する必要があります。

演習の終盤では制限時間を意識しよう

 院試も本番が近づいてくると解答の正確性に重点を置いた勉強の他に制限時間を意識した勉強を取り入れていくとよいでしょう。

 私が提供した参考書は分野別にまとめていますが、各問題には出題年度を合わせて記載しているので、同じ年度の問題を集めると本番と同じラインナップの問題を本番同様の制限時間で解くことができると思います(抜けている年度はありますがご容赦ください)。

 東大の航空宇宙工学専攻は専門科目が4科目中3科目選択で3時間ずつ(午前、午後)なので、1題あたりにかけられる時間は最大でも1時間になります。見直しの時間も考慮すると50分くらいで解いて10分見直しが理想的な時間配分ではないかなと思います。

 なので、最終的には各問題が50分程度で解ききれるように演習を積むとよいと思います。

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