東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成15年の航空宇宙システム学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。
本問の収録先商品は以下です。
航空宇宙システム学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679620e7bfa2872ebcae4fde>
総評
航空機の微小擾乱運動に関するトピックが取り上げられた問題です。過去の傾向を見ていると、東大ではしばしば出題されている分野なのでしっかり対策をしておきましょう。
解答アプローチはいずれの年代でも大きくは変わらないのですが、計算量が多いです。なので、計算ミスをしないよう注意して回答を進めていく必要があります。
また、解答の道筋が見えやすいものの、計算量の多さから試験時間を圧迫するので、普段から計算を素早く、簡潔に進める工夫をしておく必要があるでしょう。
本問では機体にかかる力をもとに運動方程式を立式します。その後、基準状態から微小量変化したと仮定して微小量の近似をすることで線形化ができると思います。あとは制御工学的な考察をさせるというという感じの流れがこのトピックに関するよくある流れですかね。
難易度 ★★★★☆
解答方針は見えやすいものの、やはり計算量の多さから時間内に正答できる人が絞られてくるのかなと考えます。本問は過去問でもそれなりに出題実績があるので、過去問をしっかりやりこんだかどうかで差が出る1問となったかなと感じました。
上記を踏まえて、難易度は高めの★4つとしました。
解答の指針
第1問
問題文で与えられた情報に沿って運動方程式を立式しましょう。このとき、必要に応じて状況整理のために図を描いておくとよいでしょう。
最終的に導出すべき式は飛行速度と経路角に関する微分方程式になっています。なので、運動方程式を立てた後の式の整理結果が前述の微分方程式になればよいことがわかるでしょう。
立式する運動方程式の座標軸に着目して検討を進めてみてください。
第2問
第1問の結果を使って微小量に関する微分方程式を導出しましょう。この時点から計算が爆発してきますが、ここが山場です。
第3問
状態空間表現から伝達関数を導出します。何が出力信号になるのかを意識しましょう。
第4問
前問までの結果にステップ入力を入れて考察すればOKです。
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