東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成16年の航空宇宙システム学(午後)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。
本問の収録先商品は以下です。
航空宇宙システム学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679620e7bfa2872ebcae4fde>
総評
あまり軌道力学っぽくはないのですが、一応軌道力学分野に分類しました。周回軌道上の宇宙機がある一定点でマヌーバ―を繰り返し噴射することでどのような挙動を示すのかを問う問題です。
小問により比較的丁寧な誘導がなされており、部分点も狙いやすいラインナップになっているかなと感じました。軌道力学分野を敬遠している人でもこのくらいの問題は手が出せるようにしておくと他の受験生に対して差をつけられづらくなるかなと感じます。
難易度 ★★★☆☆
丁寧な誘導があるとはいえ、第7問まで小問が設定されています。1つ1つを見ればそれほど重たい計算を求められているわけではないですが、しっかり時間をかけて回答する必要があります。
難易度は標準的な★3つとしました。
解答の指針
第1問
角運動量の定義に沿って回答しましょう。
第2問
もはや高校物理の範囲ですね。後の問題も見据えて図を描いて整理しておくとよいと思います。
第3問
前問の結果を用いて周期Tを求めればOKです。
第4問
図を描いて整理しましょう。点Oを中心とする軌道上の宇宙機を1つの系と捉えると…外力はないように見えますね。これをヒントに考えてみてください。
第5問
恐らく第4問か5問くらいから正答率が下がってくる気がしますね…。状況を整理して必要に応じて図や表を使うとよいかもしれません。
元々点Oを中心とする円軌道上にいた宇宙機が推薬を噴射すると…宇宙機の軌道はどのようになるでしょうか?
双曲線軌道か楕円軌道になりますよね?ではどちらになるかは…どうやって判断すればよいでしょうか?考えてみてください。
第6問
前問までの結果を基にn-1回目のマヌーバ噴射とn回目のマヌーバ噴射時の宇宙機の振る舞いについて関係式を立式しましょう。
第7問
これも前問までの結果を基に丁寧に計算していくとよいと思います。
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