東大 航空宇宙工学専攻 平成11年 航空宇宙システム学(午後) 

航空宇宙システム学

 東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成11年の航空宇宙システム学(午後)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

航空宇宙システム学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679620e7bfa2872ebcae4fde>

総評

 H11年の航空宇宙システム学(午後)ではリアクションホイールが題材となった制御工学の問題が出題されました。宇宙機に搭載されるリアクションホイールがどのような役割を持っているのかについて、制御工学的な評価を基に考察させる東大らしい問題だったかなと感じます。

 与えられた問題文に沿って制御対象モデルに関する運動方程式を立式し、安定性の評価をするという流れになっています。後半は外乱が入った際の挙動に関する考察をさせていますね。グラフの描画もさせているので、制御工学分野で聞きたいことを一通り聞いてきているような印象を受けます。

 リアクションホイールは衛星や探査機に搭載される姿勢制御用の装置です。アメリカのHoneywell社なんかが製造していたりするので、興味がある方はネットで検索してみてください。

 参考までにHoneywell社のRWA(Reaction Wheel Assembly)の製品外観と仕様説明のリンクを載せておきます。

Honeywell社製のRWA外観図

出典:<HC7 and HC9 RWAs>

難易度 ★★★☆☆

 例年通り、与えられたモデルに対して運動方程式を立式させてから制御工学に関連した考察や評価をさせてきています。計算量、思考力ともに教科書に載っているレベルのものを要求してきているので、難易度は標準的と感じました。よって★3つとしました。

解答の指針

(1)

 与えられた情報に基づいて運動方程式を立式しましょう。ここで立式にミスすると、以降の問題がドミノ的に間違っていくので、この問題は計算チェックも含めて慎重に解答する必要があります。

(2)

 (1)の結果を基に考察すれば解答にはたどり着けると思います。

(3)

 与えられた条件と前問までの結果を基に特性方程式を作れば終わりです。

(4)

 前問までの結果からシステムが安定となるための条件を定めればよいだけです。

(5)

 臨界減衰という言葉がポイントですね。ピンとこない人は参考書を見直しましょう。

(6)

 θとtの関係性を示すグラフを書く必要があるので、外乱が入った際の挙動を微分方程式にしてそれを解くとよいでしょう。

 出てきた結果を基にグラフ化すればOKかと思います。

(7)

 題意に沿って立式し、リアクションホイールの角速度について解いてやれば答えは出せると思います。

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