東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成14年の航空宇宙システム学(午後)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。
本問の収録先商品は以下です。
航空宇宙システム学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679620e7bfa2872ebcae4fde>
総評
宇宙機の大気圏再突入に関するトピックが取り上げられています。これはねぇ…ないことはないのですが…参考書を漁ってもあまりまとまった情報がないので解答作成に苦労しました。
受験生も試験本番でこの問題が出てきた際には苦戦したのではないかなと推測しております。
問題の序盤で宇宙機が再突入する際の状態を運動方程式として立式し、再突入時の宇宙機の挙動や大気圏環境に関する考察をさせています。
宇宙機の大気圏突入に関する知識は探査機によるサンプルリターンや有人宇宙船の帰還検討をする際に必須の知識となります。
特に近年NASAが主導するArtemis計画においても今後月や火星を中心とする探査機や有人宇宙船の他惑星へのランディング、地球への再突入検討が積極的になされていくと思いますので、知っておいて損はないでしょう。
学習に余裕があれば大気がない場合のランディング検討もしてみるとよいかもしれません。
難易度 ★★★★☆
授業でしっかりこの分野の講義がされていれば別ですが、多くの学生はそうした授業を受けていないうえにあまり参考書にもしっかり記載されているような分野ではないので、難易度は高めだと思います。また、過去問の傾向的にも再突入問題は出題実績が平成11年から令和5年で本問のみ…ということを考慮してもこのトピックをカバーしている受験生はそこまで多くはないのではと考えました。
ただ、誘導がそこそこ丁寧なので…★3つ…と言いたいところですが…上記も踏まえて難易度は高めの★4つとしました。
解答の指針
(1)
まずは宇宙機に関する運動方程式を立式しましょう。ここができないと次の問題以降何もできないので。立式の際は図を描いて丁寧に検討を進めてください。
(2)
問題文中に「空気力が他の力に比べて卓越している～」という表現が出てきますが、この解釈ができるかどうかがポイントですかね。
運動方程式を眺めてどの項のことを指しているか検討してみてください。
(3)
問題文で与えられた条件と前問の結果を組み合わせると解けると思います。
(4)
問題文に沿って計算を進めてみましょう。計算した数式が最大値をとるのはどのような場合かを検討すると答えまでたどり着けると思います。
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