東大 航空宇宙工学専攻 平成14年 推進工学(午後)

　東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成14年の推進工学(午後)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

推進工学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/67962672816e614726a61364>

総評

　航空機のエンジンをモデル化したものが題材となっています。空気を取り込み、圧縮して吐き出すことで推力を得るという設定です。
　空気を圧縮したときの気体の挙動、燃焼器の役割、排気速度、衝撃波圧縮時と等エントロピー圧縮時との気体の挙動の比較など、エンジンの仕組みに関する考察をきれいにまとめて要求している一問です。

　このあたりのエンジンの仕組みは(航空宇宙工学科の学生であれば)どの大学の授業でも一通りやると思うので、しっかり復習しておきましょう。

　終盤の問題については解答に苦戦する方もいると思われますが、試験本番では最後の問題を捨てるのもありかなと感じています。

難易度★★★☆☆

　参考書を読めば一通り必要な知識はカバーできるうえに、式変形も特殊な作業を必要としないので、標準的な難易度と判断しました。★3つですかね。
　

解答の指針

(1)
　エネルギー保存則と等エントロピー流れであるという条件をうまく使って立式と式変形を進めましょう。

(2)
　(1)の結果とエネルギー保存則を使って求める答えを導出しましょう。

(3)
　エンジンの排気口の圧力に注目するのがポイントでしょうか。

(4)
　\[\eta=\frac{V_i^2}{2q}\]

の式を前問までの結果を用いて式変形をしていきましょう。

　最終的にηとM_aの関係式が出ればグラフが描けます。