東大 航空宇宙工学専攻 平成17年 航空宇宙システム学(午前)

航空宇宙システム学

 東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成17年の航空宇宙システム学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

航空宇宙システム学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679620e7bfa2872ebcae4fde>

総評

 いや、きついきついきつい…。この問題を選択した受験生はいるのか…という疑問を感じるほどの難易度の高さだと思います。

 太陽、地球、宇宙機による3体問題ですかね…。一応、出題者も難易度が高いと感じたのか、誘導付きの問題にはなっています。…が…その誘導もそれほど丁寧ではないので解答するのは容易ではないと思います。

 少なくとも私が受験生なら敬遠するような問題ですが…幸い受験生の頃、制御系の研究室に入り浸ってたおかげで院生の先輩と仲良くなり、本問に関するディスカッション(…という名のレクチャー)を受けたので、なんとか解答作成にこぎつけられたものです。

 しかしながら、宇宙機のミッション設計という観点で見ると、軌道制御の精度を求められるような場合においてはこの手の計算や考え方も必要となるので、知ってはおきたい分野ですね…。

 通常、制限三体問題は宇宙機の質量が微小なので、これを足掛かりに計算を進めていきますが、本問は地球の重力が太陽の並進運動に与える影響に着目して式の近似をしています。

 3体問題の一般解は存在しませんが、何らかの前提や制約事項を設けて式の近似を行うことで特殊解を見つけるというものです。厳密解は求められませんが、この問題に関する特徴的な解は見つけられるので、物体のおおよその動きは把握できます。

難易度 ★★★★★

 受験という観点で見るなら、本問の選択はコスパが悪すぎると言わざるを得ません。軌道力学を研究テーマとして選んでいる学生でなければ敬遠するのではないかなと思います。

 他の問題のラインナップ次第ですが、どうしても選択する必要が出るなら状況設定の理解と計算に多くの時間を割くことになるでしょう。

 過去問の中でも屈指の難易度を誇ると思われるため、難易度は★5つとしました。

解答の指針

 (1)

 難しいとさんざん言ったものの、選択するならさすがにこの問題は取りたいところです。太陽と地球の力のつり合いを考えましょう。

(2)

 ここも得点したいところ。地球から見た座標系で探査機にどのような力がかかるかを考えましょう。コリオリ力もかかるところは考慮しないといけませんね。

(3)

 探査機にかかる太陽の重力加速度成分がどうなるかを考えましょう。探査機が地球近傍に留まるという問題文の表現も回答の糸口を考えるうえでポイントになります。

(4)

 (2),(3)の結果を利用すると解けます。

(5)

 もはや数学の問題です。導出した微分方程式の解を仮定して計算を進めれば答えは出ます。

(6)

 探査機の地球からの距離が一定となる…という問題文の解釈がポイントですね。うまく数式に落とし込みましょう。

(7)

 問題作成者が大分大きなヒントをくれています。地球の重力加速度ベクトルを成分表示して計算を進めてみましょう。途中で出てくる微小量は例によって近似処理をしていくとよいでしょう。

(8)

 (4)の結果を利用して解答を進めてみてください。

(9)

 (8)の結果を基に固有振動数を求めるための数学的処理を進めれば答えは出ます。そこそこ計算はしますが、解答は1本道かなと思うので、ここまで来たら完答できると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました