東大航空宇宙工学専攻平成18年流体力学(午前)

　東京大学大学院航空宇宙工学専攻平成18年の流体力学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

総評

　垂直衝撃波に関する問題です。衝撃波の前後で流体の圧力比やピストンと衝撃波の位置と時間に関するグラフの描画、及びそれに関連する考察が出題されています。

　衝撃波に関する問題は衝撃波の前後での流体の密度比、速度比、圧力比等の関係を導出することが多いので、よく練習しておきましょう。

　また、衝撃波の描画もよく出題されるので、典型的な物体(ひし形や平板、鈍頭物体など)周りに発生する衝撃波はよく参考書やネットを見て描画の練習をしておきましょう。

　後半の考察内容は少し解答しづらいと感じる受験生もいるかもしれませんが、全体としては参考書に載っている典型的な例題レベルの問題で構成されています。

　解答方針も比較的立てやすいので、本問の難易度としては易しめの★2つとしました。

第1問

　ピストンの速度と衝撃波前後の流体の速度の関係を求める問題です。これは図を描いて整理した方が良いでしょう。

　図を描いてしまえば立式は問題なくできると思います。

　ピストンの速度を衝撃波前後の圧力比で表す問題です。

　問題文で与えられた2つの式を使って整理を進めましょう。ちなみにですが、問題文で与えられている圧力比、密度比、速度比は与えられてなくても導出できるようにしておきましょう。

第2問

　ピストンと衝撃波の位置関係と時間変化をグラフにします。まずは衝撃波とピストンの速さ比較が必要ですかね。

　問題文によると、ピストンは急に動き出しますが、t=t₁で急に停止しますね。では、衝撃波は時間経過とともにどのように動くでしょうか？考えてみてください。

　ピストンの前に存在する流体の挙動に関する考察です。説明に必要な要素としては、ピストンによって押される流体の挙動と衝撃波の動きが説明できていればよいのではないかと思います。

　ある位置x=x₀にあった流体の挙動をグラフ化せよという問題です。ピストンから離れた位置にある流体の動きを描写させるという点がこの問題の面白いところですね。

　ピストンの前にいる流体と位置関係の違いを比較するとわかりやすいかもしれません。

　3.の結果と同様のものが得られる状況を例示せよという問題です。何か一つ提示すればよいので、解答は難しくないと思います。

　これは3が解けた人に対するサービス問題のようなものですかね。