東大航空宇宙工学専攻平成18年固体力学(午前)

　東京大学大学院航空宇宙工学専攻平成18年の固体力学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

総評

　梁の大たわみ理論が題材となった問題です。そして、境界条件も片方が回転ばねになっていますね。これは東大ではよくある問題パターンなので、出たら完答できるように演習を積んでおきましょう。

よくある題材としては固定端、自由端、ばね固定、回転ばね固定等ですかね。いずれも重要な境界条件なので、参考書で色々なバリエーションの問題を解いておきましょう。

　今回は梁の大たわみ理論と座屈荷重に関する問題がセットになっています。問題の流れとしては、微小領域の図示、平衡方程式の導出、境界条件の整理、座屈荷重の考察となっています。

　全体を通してみると、過去問の演習をしっかりやっていれば十分完答できる問題だと感じました。本問は東大の過去問を振り返ってもよく出題されていますし、小問自体も解答方針はすぐに立てられるので、ほぼ迷う要素はないと思っています。

　但し、回転ばねについてはあまりネットや参考書を見ても載っていないので、この境界条件を初見で検討するのはかなり苦しいと思います。よく復習しておきましょう。

　以上より、本問の難易度は易しめの★2つとしました。

第1問

　よくある問題パターンです。梁の微小領域を図示ししてそこにかかる力とモーメントを書き込んでいきましょう。

第2問

　第1問の結果を基に力のつり合いを考えて立式を進めましょう。

第3問

　境界条件の導出です。今回は回転ばねによる支持と単純支持なので、これらに該当する条件を書き下せばよいです。

第4問

　第2問の結果を基に整理をしていくと4階の線形微分方程式が出てきます。後はこれを境界条件を考慮して解いていけばよいのですが…解析的には解けないのです。

　なので、問題文はP_crを求める式を示せという表現をしているわけですね。なので、上記の式計算は最後の最後で少し工夫が必要です。

第5問

　これは第4問を解いた方へのサービス問題です。出題者側の意図としては…受験生に点差を広げさせて合否のラインを決めやすくする…といったところでしょうか。

　この問題も第4問と似たような考え方が適用できます。そして、1と同様、kの値を考慮して式を簡略化していけば答えは出そうです。