東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成20年の推進工学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。
本問の収録先商品は以下です。
推進工学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/67962672816e614726a61364>
総評
宇宙空間でのロケットの飛行モデルが題材として選ばれました。かなり興味深いトピックですね!
最後の考察はなかなかしんどいですが、全体としてはそれほど難しくはないという印象を受けます。
与えられたモデルに基づく運動方程式の立式、固有角振動数の導出、運動方程式の解を求める、本問のシステムに関する考察…といった構成になっています。多くの受験生は小問4つのうち3つまでは解けたのではないかなと思います。
最後の考察の問題ですが、これは授業で習った理論や考え方が研究や実際の製品にどのように生かされているのかを普段から考えていないと解答するのはなかなか難しいですね。院試の対策としては各専門分野の勉強を通して、ネット検索や授業内容の振り返り、関連研究の調査を通して地道に知見を広げていくしかないと思います。
難易度 ★★☆☆☆
計算量もそこまで多くはないうえに、問題文を読めば解答の指針は立てやすい構成になっています。最後の問題については正答率にばらつきが出ることが予想できるものの、全体としては解答しやすいラインナップだったかなと感じます。
よって難易度は易しめの★2つとしました。
解答の指針
第1問
問題文で図が与えられているので、その図を基に立式を進めてみましょう。
第2問
第1問で導出した式を基に固有角振動数を求めていけばよいですね。
今回の問題は2物体の相互運動ではあるものの、回転運動がないので運動方程式は2つで済みます。そのため、運動方程式の行列表示も簡単であり、固有角振動数を導出する計算も非常に楽に進められます。
第3問
初期条件を整理してしまいさえすれば、後は第1問の結果を基に方程式の解を求めていけばよいですね。この辺りはさんざん振動工学の勉強で学習するところなので、解けないなんてことは…ないはずです。
計算ミスは他の受験生に対して点数的に大きくリードを許してしまうことになりかねないので、慎重に計算を進めたいところです。
第4問
一転して、この問題解答は苦しくなりますね…。試験本番でこの手の問題が出ると知っているかどうかで勝負がついてしまうので…運の要素も入ってきそうです。
一応私も解答例を用意していますが、勉強もかねて色々調べてみるとよいかと思います。
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