東大 航空宇宙工学専攻 平成21年 航空宇宙システム学(午前)

航空宇宙システム学

 東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成21年の航空宇宙システム学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

航空宇宙システム学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679620e7bfa2872ebcae4fde>

総評

 定常滑空飛行及び水平定常飛行がトピックとして選ばれた問題です。それぞれの航空機の飛行特性について考察させる問題でよくまとまっている印象を受けます。

 航空機力学の演習問題として有用な一方で、受験の観点から見ると多くの受験生が完答を狙ってくる問題かと思います。余計な失点をしないよう注意して解答作成をしましょう。

 この辺りの年代は2009年(平成21年)にMRJ(Mitsubishi Regional Jet)の事業化があったこともあり、航空機力学分野の出題が盛んだったのかなと推測しています。

MRJ外観図(出典:三菱重工HPより)

 いやぁ…開発完了して欲しかったですね…。個人的にはこの開発会社好きなので、ここで培ったノウハウを是非活かして頂きたいところです。

難易度 ★★★☆☆

 少し計算が多い気もしますが、解答の道筋はオーソドックスなラインナップになっているかなという印象を受けます。解答の見通しのしやすさと教科書や参考書に記載されているような論理展開で解答作成ができることを踏まえると易しめ~標準の難易度帯になると考えています。よって★3つとしました。

解答の指針

第1問

 機体にかかる力のつり合いを描写しましょう。問題文記載の通り、推力は0なので、これも考慮しましょう。

第2問

 経路角の計算をすると、K、CD0、Lを使った式が出てくると思います。この関係式について、経路角が最大となる条件を考えるとよいでしょう。

 また、経路角とCLのグラフ描写も忘れずに!

第3問

 機体にかかる力のつり合いを基に式を整理していきましょう。導出した式を基に必要推力の最小値を考えましょう。

 この必要最小推力については良く問われるので、しっかり学習しておきましょう。本書では(相加平均)≧(相乗平均)を使いましたが、微分してもいいと思います。

第4問

 滑空時の機体にかかる力のつり合いを考えましょう。適宜前問までの結果を使って計算を進めると答えが出ます。

第5問

 定常滑空しているの時の経路角に注目してまずは式を整理しましょう。導出された式を基に定常滑空の初速度との比較をしましょう。

 

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