東大 航空宇宙工学専攻 平成21年 推進工学(午前)

推進工学

 東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成21年の推進工学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

推進工学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/67962672816e614726a61364>

総評

 今回は梁の回転と並進による複合運動が題材になりました。参考書に記載されているような例題を組み合わせたような問題になっています。

 小問でうまく誘導してくれていますが、この手の問題は並進と回転の運動をそれぞれ分けて運動方程式を立式しましょう。

 二つの運動を同時に考えようとすると混乱しますし、解答方針も立てづらいです。

難易度 ★★★☆☆

 総評でも述べましたが、複合問題ということもあり、序盤の小問でうまく誘導に載れるかが勝負の分かれ目かもしれません。第1問の3と第2問の2の計算量が多いうえに、答えとなる式が入り組んでいるので、計算ミスをしないように注意したいところですね。

 専門科目の出題の特徴として、参考書に記載されている例題を組み合わせたり、あまり見たことがないような状況設定を題材にして問題を作ることが多い印象を受けます。

 そうした意味では、今回取り上げられた題材も一見すると解答方針を立てづらい印象を受けますが、そこは誘導である程度は解答できるように配慮してくれています。

 というわけで、少し迷いましたが、本問の難易度は標準的な★3つとしました。

解答の指針

第1問

1.

 回転と並進の運動方程式を立てる問題です。見慣れない題材なだけに、丁寧に図を描いてアプローチした方が良いと思います。

2.

 回転と並進運動の連成条件を聞いてきています。当然ながら、前問の結果を使うのですが、ここは参考書などに良く記載されている通りの考え方が適用できそうです。

3.

 系の固有振動数を聞いてきています。振動工学分野で度々固有振動数を聞いてきますが、固有角振動数と間違えないようにしましょう。

 どちらを答えてもよいという人もいるかもしれませんが、固有角振動数ωと固有振動数fは一応\[\omega=2\pi f\]

という関係にあり、定義も違います。

 受験生の答案で固有角振動数を答えとしているものと、固有振動数を答えとしているものが採点者の元に上がってきたら…問題文で問われている内容に正しく答えている方に満点を上げて、もう片方の答案は減点するのではないかなと思います。

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