東大 航空宇宙工学専攻 平成25年 推進工学(午前)

推進工学

 東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成25年の推進工学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

推進工学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/67962672816e614726a61364>

総評

 ばね-マス-ダンパ系の問題が出題されました。2台の台車にばねとダンパがついています。振動工学の勉強をしたことがある人なら一度は見たことがある問題設定だと思います。

 ばね-マス-ダンパ系は大学院次第ですが、大体2物体の相互運動を題材として扱うことが多い印象を受けます。(適度に難しく、計算量もありますので。)

 本問は小問3問構成となっており、運動方程式の行列表示、非減衰系の固有角振動数と振幅比、及びこのシステムに対する考察が問われています。

難易度 ★★☆☆☆

 全体でみると解答方針の検討もそれほど難しくはなく、計算量もそこそこなので、できれば完答までもっていきたいところです。

 題材自体も参考書を開けば解答方針が載っているレベルのものなので、そこそこ高い得点率を示したのではないかなと推測しています。

 というわけで、本問の難易度は少し易しめの★2つとしました。

解答の指針

第1問

 題材となっているシステムの図を描いて丁寧に確認してきましょう。台車A、Bについてそれぞれ運動方程式を立てて行列表示をすればOKです。

第2問

 固有角振動数と台車A、Bの振幅比が問われています。問題文ではc0=c1=c2=0という条件が設定されているので、提示されたシステムは振動し続けることがわかります。

 本問では2つの解法を解答例にて提示しました。

(解法1)

 第1問の結果から減衰項を削除し、線形代数の知識を駆使して固有値と固有ベクトルを求めていくというやり方です。参考書にも載っている一番オーソドックスな解法です。時間はかかるものの、やり慣れている解法なのでそれほど迷わず解答をしていけるでしょう。

(解法2)

 台車A、Bの運動方程式の解を仮定して固有角振動数と振幅比を求める方法。

 これは問題の設定をうまく利用して解答を作る方法です。今、減衰項を省いた第1問の運動方程式が常に成り立つには…xAおよびxBはどのような解の形になるでしょうか?

 仮定した解を運動方程式に代入して自身で設定した未知数を求めていけば、固有角振動数も振幅比も求まります。

 この解法は計算量を減らせるので時間を節約したい時や計算に自信がないとき、解答作成後の検算をしたい時などに有効です。

 是非この解法も覚えて使えるようにしてください。

第3問

 問題文で与えられた式に合わせられるように第2問の結果を利用して式変形を進めていきます。ここも線形代数の知識を駆使して式変形をしたら、問題文で与えられた式と比較するとよいでしょう。

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