東大 航空宇宙工学専攻 平成28年 固体力学(午前)

固体力学

 東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成28年の固体力学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

固体力学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679621f8bfa2872edfae50a9>

総評

 梁と弦の両端をそれぞれ、壁に固定した構造部材について考察させる問題です。この部材に一様な温度変化を与えた時の変化に関する考察が求められています。

 一般的な熱負荷による部材の変形と弦の振動に関する考察ができれば十分に完答を狙える問題であり、計算量もそこまで多くないので、多くの受験生が解答できたのではないかなと推測しています。

 問題そのものは見慣れない題材設定かもしれませんが、梁や弦のみの要素に分解すれば参考書でもよく見る問題になります。

 こうした初見の状況設定についても冷静に考察し、要素分解をすることで自身の解答方針を立てるという力が必要です。東大の航空宇宙工学専攻ではこの手の要素分解に対する考え方は必要となる場面が多いので、過去問演習で養っておきましょう。

難易度★★☆☆☆

 全体として解答方針の見通しも立てやすく計算量もそれほど多くを求められていないので、本問の難易度は易しめの★2つとしました。

解答の指針

第1問

(1)

 梁の方が弦よりも熱膨張係数が大きい場合を考えます。

 まずは部材を位置xの断面で切断した図を描き、状況の整理をしてみましょう。梁と弦にはそれぞれどのような力がかかってそうでしょうか?

 この辺りは複数の梁を壁に固定した時の状況設定に似ていますね。

 温度変化と梁の伸びの関係を式で表現できれば、後はグラフで図示すればOKです。

(2)

 梁の方が弦よりも熱膨張係数が小さい場合を考えます。この場合はどうなりますかね…梁と弦を比較すると…弦の方が伸びるので…たるんじゃいますね。

 ここから先はご自身で検討してみてください。

第2問

 第1問の(1)の結果を基に考察してみましょう。

第3問

 東大の航空宇宙工学専攻では固体力学と推進力学でこの手の問題が良く出題されます。過去問演習や参考書を通してよく復習しておきましょう。

 まずは弦の微小領域に着目して、弦にかかる力を図示し、つり合いの式を立式しましょう。また、振動が微小である点にも注意が必要です。

第4問

 前問で立式した偏微分方程式の解を仮定します。また、境界条件も答えましょう。

 この問題はかなり易しい誘導です。これがなくても自分で状況を整理して第5問が解けるようにしておきましょう。

第5問

 前問で整理した結果を基に、第3問の偏微分方程式を解いていきます。計算結果を基に固有振動数を導出しましょう。

 

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