東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成28年の固体力学(午後)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。
本問の収録先商品は以下です。
固体力学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679621f8bfa2872edfae50a9>
総評
今回は軸対称平面応力問題が出題されました。出題頻度は少なめですが、そこそこの計算量と難易度なので、過去問や参考書で演習を確保していないと初見で対応するのは困難と思われます。
出題頻度の低さも考慮すると受験生の間では対策した人とそうでない人とで正答率に差が出たのではないかと推測しています。
また、小問構成は7題となっており、誘導が丁寧になっている分、部分点は狙いやすいと思います。
題材そのものは参考書に載っている範囲のトピックなので、何かしらの実学を意識したトピックというよりは純粋に弾性力学分野の理解力を問うことを出題者は意識したかもしれません。
難易度★★★☆☆
少し計算はしんどいですが、問題の流れとしてはよくある問題パターンと小問による誘導がついています。
題材そのものも参考書に載っているようなものなので、やってさえいればそれなりに点数が出るようになっていると感じました。以上を踏まえて、本問の難易度は標準的な★3つとしました。
解答の指針
第1問
題意の状況が良くわからない人は図を描いて整理してもよいでしょう。
構成方程式を立式して整理すればよいのですが、軸対称平面応力問題であることと、問題文の内容を踏まえて極座標表示で表記する必要があります。
第2問
問題文の指示の通り、フックの法則を用いて立式したものを連立させて計算を進めればよいでしょう。
第3問
歪と変位の関係なので、定義に沿って記述しましょう。但し、極座標表示である点に注意が必要です。
第4問
第2問、第3問の結果を整理して周方向及び半径方向の応力を導出しましょう。後はこれを第1問の結果に反映して整理すればOKです。
第5問
いわゆるラーメの式の導出です。f(r)=0という条件が与えられたので、第4問の結果にこれを反映して微分方程式を解きましょう。
第6問
今度はfに具体的な関数が入ります。第5問をヒントにすればよいですね。第4問の結果に反映して同様に微分方程式を解けばよいです。
第7問
これまた一工夫された問題ですね。今度は円環を考えます。内半径とと外半径における境界条件を整理しましょう。
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