院浪は進学や就活に不利なのか?

大学院入試

 さて、今回は院浪経験が大学院修士課程を卒業した際のキャリアに悪影響を出すかどうかについて情報提供していければと思います。

 一般的に院浪をするとなると「院試に落ちたらどうなるのか?」という記事でも言及した通り、主に学部4年生を意図的に留年して卒論を続けつつ院浪をするか、研究生として研究活動をしながら院浪するかの2つの選択肢があるかと思います。

 本記事では上記の2つの場合を想定して記事を書いていきたいと思います。なお、大学を卒業し、院試勉強のみに専念するという方法もありますが、メンタル的な観点でもキャリア形成の観点でもお勧めしません。

進学するうえで不利になるのか?

 私も大学院を外部受験する際に不安になったことがありました。研究室の訪問先の先生や、大学院生になってから所属している研究室の教授にもお話を伺いましたが、博士後期課程に行くうえでは特に障害にはならないとのことでした。 (受験前は博士後期課程も面白そうかなと思っていたので、上記のような質問もしていました。)

 結局のところ、博士後期課程に入学できるかどうかは筆記試験と面接試験に受かればよく、面接試験でも今までの研究活動の成果や研究に対する考え方、姿勢を重視しているとのことでした。なので、院浪をしているかどうかよりも、どれだけ受験する専門分野に関する知識があるか、またどれだけ研究で成果を出してきたかを見ているとのことでした。

 上記の観点を踏まえると、院浪それ自体にはそれほど大きな意味はないものの、院試の準備と並行して研究活動もそれなりにしておいた方が修士論文も書きやすくなるし、学会発表の機会も稼げると思います。

就職するうえで不利になるのか?

 私は修士1年の後半から就活を経験してエンジニアになりましたが、経験上院浪していたことが面接や書類選考において不利に働いたと感じたことはなかったです。

 自身の所属していた専門分野が情報工学だったことと、当時はようやく各産業界で機械学習やAIを適用する流れができ始めていたので、特に情報工学系の学生は就職活動がそもそもしやすかったという背景はあったとは思います。

 ただ、結局エントリーした企業自体は情報工学分野とほぼ関係ない宇宙開発産業のポジションでの応募をしていたので結局のところ私が情報工学専攻であるという利点を活かすことはあまりなかったようには感じました。

 私の場合、自由応募も含めて8社ほど受けましたが書類はすべて通りましたし、選考も結局自身から辞退する形で就職先を決めたので、やはり院浪自体が自身の職業選択に不利に働いたことはなかったです。

 どちらかというと企業の専攻の過程では研究活動や学生時代に力を入れたこと、語学力などをよく見られていたように感じました。

 ちなみにですが、私は大学受験自体も2浪しているので、一般的な院卒の社会人と比べると3年程遅れて社会人になりました。それでも就活は特に問題もなく終えられました。

 高校の先生や親からは私が高校生の当時「浪人すると就活で不利になる」とかさんざん言われましたが、根拠のある主張ではないと私は考えます。

注意点がないわけではない!

 就活での経験になりますが、やはり院浪すること自体が珍しいので、なぜ院浪をしようと思ったのか?なぜ学部時代から専門分野を変えようと思ったのか?研究生とはどういうものなのか?といった質問はよく受けました。

 要するに院試の準備も含めてサボってたわけじゃないよね?真面目に研究活動や勉強はしていたよね?という趣旨の質問なので、論理的に自身の考えが説明できれば問題ないです。

まとめ

 本記事では院浪というステータスが修士卒業のキャリア形成に与える影響を見てきました。博士後期課程進学、就職活動の2つの観点から自身の経験やヒアリング結果を提供しましたが、いずれのキャリアにおいても院浪自体が自身のキャリア形成をする上での障害にはならないことを確認しました。

 但し、自身が院浪をしようと思った動機や今後の希望するキャリアとその理由について簡潔かつ論理的に説明できる必要があります。

 また、研究活動においても他の一般的な院卒の方と遜色ない程度の研究成果を出せていれば院浪したという事実が不利に働くことはないと考えています。

 院試に失敗しないというのは大事な要素かもしれませんが、失敗したとしても取り返せない失敗にはなりえないと思います。

 進路選択は読者の皆様の意思決定がすごく重要だと思うので、今後のキャリア形成も考慮して後悔しない選択をするようにしてみてください。

 私自身の考えとしては、迷った末に後から人生を振り返って後悔しないような選択をするのがいいかと思います。また、中途半端な覚悟になるようなら院浪をしないというのも1つの選択肢だと思います。

 私は失敗してもいいから挑戦しないまま人生を終えるのが嫌だったので、院浪という選択をすることにしました。

 それでは、今日はこの辺で!この記事が読者の皆様の進路選択の参考になれば幸いです。

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