こんにちは。宙野です。前回記事では、東大の航空宇宙工学専攻の専門科目の出題と傾向についてまとめました。
この記事では、専門科目のどの分野から攻略していくのが効率的なのかについて、私の考えをまとめたいと思います。
お勧め攻略順
色々な考え方があると思いますが、私としては受験生自身の得意分野から攻略していくことをお勧めします。
過去問対策の段取りやスケジュール感がつかみやすくなる。
院試対策の初期は過去問の難易度把握や参考書の選定、過去問の解答作成や演習など、検討事項が盛りだくさんです。そうした検討事項を確認しつつ、できるだけ短い期間で過去問を解答できる状態にしようとすると、比較的自分が得意としている分野を先に固めるのが良いと考えています。
なぜなら、得意ということは、それだけで過去問解答作成のハードルが下がり、スケジュールの前倒しが可能となります。また、基礎事項の復習から過去問の解答作成と検算、演習までを1ラウンド経験しておくと作業要領がつかめるので、他の分野の作業がやりやすくなります。
総合得点が上げやすくなる
受験は総合得点の高さを競うシステムです。なので、受験生は勉強を始めた段階から如何にして短い時間で高い総合得点を取るかを考える必要があると思います。
苦手分野を先に手を付けたばかりに、得意分野の演習が不十分になり、本来なら解答できる問題も落としてしまった…ということになれば目も当てられません。そう言った意味でも得意分野を固めつつ、試験本番までに残された時間を考慮して苦手分野をどこまで対策するかを考えた方がコスパがいいと私は考えています。
自信がつくのでメンタルが安定する。
これは自身が経験した失敗要因の中でも最も大きなものの一つでした。やはりボッチで勉強を続けると自分の勉強の進捗度合いや解答のクオリティに悩まされます。相談できる相手がいないならなおさらきついです。
そんな時に自分の得意分野が1つか2つでもいいので、ある程度完成していると心の支えになります。解答を自作していく中で、解答の検証に苦労するという話を以前別記事で記載しました。(正解かどうかはともかく)完答できるだけでも相当な自信につながります。
自身の経験上、メンタルコントロールは受験勉強の進捗管理や問題解答の冷静な判断に大きく関わってくると判断しています。また、メンタルが不安定だと体調も崩れがちになり結果的に勉強の進捗に影響を及ぼしますので、十分注意してください。
得意と言えるほどの分野がありません
…そうはいっても、自分には特に得意といえるほどの分野はありません。どの分野も解答を自作しきるだけの実力がないです…。
そんな方はまず純粋に自分が興味を持てそうな分野や希望する研究分野の専門科目からやってみるといいかもしれません。自分の興味がある分野や好きな分野なら辛くてもなんとかやっていけるかもしれません。
また、「東大 航空宇宙 専門科目について」という記事でも記載しましたが、専門科目の分野の中には比較的取り組みやすいものもあるので、そうした科目を中心に勉強していくのもいいかもしれません。
例えば以下のような攻略順なんかもお勧めです。
- 航空機力学
- 振動工学
- 熱力学
- 圧縮性流体力学
- 非圧縮性流体力学
- 粘性流体力学
- 古典制御工学
- 現代制御工学
- 材料力学
- 固体力学
- 軌道力学
- 電磁気学
- 伝熱工学
但し、融合問題は11項の固体力学がある程度終わるまでいったん放置して戻ってくるようなイメージです。
以下のような考え方で優先度を整理してみました。
- 最もとっかかりやすそうな航空機力学をある程度完成させる
- 機械系専攻の人なども馴染みのある科目なので振動工学を2番目に攻略する
- 同じく航空宇宙以外の専攻の人でも取り掛かりやすく問題難易度もそこそこな熱力学に手を出す
- 式変形の流れが比較的決まっている圧縮性流体を固めて推進系融合問題に対応する準備をしておく
- 圧縮性流体、航空機力学と関連性のある非圧縮性流体力学をやって対応可能な問題の数を増やす
- 非圧縮性流体と関連性のある粘性流体力学に手を出し、流体力学分野を完成させる
- 古典制御工学の基本を身に着ける
- 古典制御工学を土台として現代制御工学の勉強を進める
- 材料力学に手を出し、固体力学攻略の準備を進める
- 固体力学を完成させ、融合問題に手を出せる下準備を整える
- 軌道力学の基本を押さえて航空宇宙システム学の対応力向上を図る
- 電磁気学の基礎を固めて対応力の向上を図る
- 最後に伝熱工学の基本をさらって参考書などで演習を積んでおく
繰り返しますが、上記はあくまで例です。人の数だけやり方も存在すると思うので、ご自身にあった方針を模索する必要があると思います。
今回は東大 航空宇宙工学専攻の専門科目の攻略優先順位についてお届けしました。専門科目は出題範囲も広く、問題自体の難易度も他の大学と比べると高いので、十分に準備して試験に臨む必要があります。
それでは、引き続き勉強頑張ってください。
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