東京大学大学院 工学研究科 微分方程式対策

微分方程式

 こんにちは。宙野です。この記事では東京大学大学院 工学研究科が大学院入学試験で出題している微分方程式の対策について記載していきたいと思います。

 数学の試験の全体概要については別記事にてまとめているので、そちらも参考にしていただければと思います。

出題の傾向

 この分野は誘導に乗るタイプ教科書通りの解法に則って解くタイプの問題が出ます。前者のタイプは前の問題をうまく使えないか考えればいいのですが、後者のタイプはやり方を覚えてないと詰みます。なので、まずは参考などで基礎固めをする際に一通りの解法はさらっておきましょう。

難易度は?

 年度によって違いはあるものの、基本的な問題も多く、微分方程式は点を取りやすい分野になっていると思われます。また、積分計算等が出る場合もありますが、大抵は高校数学や大学で覚える基本的な型を適用するだけでできることが多い印象を受けます。

 …ただ…直近の過去問を見ていると難化してきているようにも見えるので、いざとなったら捨てられるように他の分野の強化も必要かと思われます。

どんな参考書がお勧め?

 この分野でもマセマシリーズが大活躍します。私も試験対策の最初の段階ではこのマセマシリーズで知識を固めました。

微分積分の求値問題は以下の参考書を勉強のとっかかりとして使用していました。

 ・微分積分キャンパス・ゼミ 改訂10 [馬場 敬之] (マセマ出版社)

(出典:Amazon.co.jp)

 入試問題としては、微分積分の計算に主眼を置いた問題が出題されますが、大学で学ぶ基礎理論もこの参考書ではカバーしてくれているので、本書に記載されているレベルのことは一通り抑えておくと対応力が上がると思います。

また、この分野については演習量も確保したかったので、以下の演習書も使ってました。

・演習 微分積分キャンパス・ゼミ 改訂7 [馬場 敬之] (マセマ出版社)

(出典:Amazon.co.jp)

 マセマシリーズの演習書なので基礎レベルの練習問題が多いです。院試という観点では、このレベルの演習を一通りやっておけば、後は院試の過去問演習及び解答作成を始めて大丈夫だと思います。

 なお、習熟度が低いとこの後の院試レベルの問題を解く際に効率が落ちるので間違えた問題は繰り返しやって完璧にしておいた方が良いと思います。

 常微分方程式については以下の本を使っていました。

 ・常微分方程式キャンパス・ゼミ 改訂10 [馬場 敬之] (マセマ出版社)

 (出典:Amazon.co.jp)

 本書では特に、常微分方程式としてどのような解法があるかについて意識して読むとよいと思います。また、説明の中で記載されている式変形は必ず自分で手を動かして追うようにしましょう。

 偏微分方程式についても同様の対応で最低限の基礎固めはできると思います。

 ・偏微分方程式キャンパス・ゼミ 改訂6 [馬場 敬之] (マセマ出版社)

(出典:Amazon.co.jp)

 次項の対策で記載したような内容が収録されており、説明もかなりわかりやすいです。この参考書の練習問題も含めて一通り正解できるようになれば、ある程度過去問の解答が作れるようになると思います。あとは足らない知識を大学の図書館にある参考書等で補完していけばよいかと思います。

対策

 まずは、マセマシリーズで微分方程式の基本的な解法をさらいましょう。数学の問題で微分方程式を本番の試験で選択するかどうかはともかく、この分野の知識は専門科目の攻略で必須の知識となるので、有名な解法は一通り抑えた方がいいでしょう。

 具体的には以下の項目辺りを意識しておさらいするのが良いと思われます。

<常微分方程式>

  • 変数分離形
  • 1階同次形
  • 1階線形
  • 定数係数2階同次線形
  • 定数係数2階非同次線形
  • 完全微分方程式
  • オイラーの微分方程式
  • ベルヌーイの微分方程式
  • リカッチの微分方程式
  • クレローの微分方程式

 <偏微分方程式>

  • 1階偏微分方程式
  • 2階線形偏微分方程式

 専門科目の対策も視野に入れると必然的にこの分野の対策にかける時間は長くなるので、試験本番でもこの分野は必ず選択するつもりで準備をしておく方が総合的に見てコスパが良いように思います。

 (もちろん試験本番では何があるかわからないので、最悪この問題を捨ててもいいように準備はしておく必要があります。あくまで意気込みという意味で上記のコメントを残しておきます。)

微分方程式応用先

 微分方程式は適用先が広いですね…。ここを固めればどの専攻分野の専門科目にも適用できる気はしますが…航空宇宙工学専攻に特化して記載すると以下の専門科目の対策をするのに役立ちます。

  • 材料工学
  • 固体力学
  • 非圧縮性流体力学
  • 粘性流体力学
  • 圧縮性流体力学
  • 制御工学(現代制御工学,古典制御工学)
  • 航空機力学
  • 軌道力学
  • 振動工学
  • 熱力学
  • 電磁気学
  • 伝熱工学

…うん…まぁ、要するに全部ですね(*’ω’*)

 それほどまでに微分方程式というのは工学との関係性が深く、重要なトピックなのです。逆に言えばここがわからないと専門科目の攻略は絶望的です。なので、優先度を上げて固めていきましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ではまた次回!

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