こんにちは。宙野です。この記事では東京大学大学院 工学研究科が大学院入学試験で出題しているラプラス変換の対策について記載していきたいと思います。
数学の試験の全体概要については別記事にてまとめているので、そちらも参考にしていただければと思います。
出題の傾向
ラプラス変換は数学の第5問にて出題されることがあり、年によってフーリエ変換が出題される場合とラプラス変換が出題される場合があります。
感覚的にはフーリエ変換の方がよく出ている印象を受けるものの、ラプラス変換は計算量も含めてそこまで重たい問題はあまり出ないので、出題された際には積極的にとりに行きたいところです。
難易度は?
東大工学研究科の数学の分野の中では恐らく最も簡単な分野になると思います。出題頻度はそれほど高くないものの、出題された際には多くの受験生が解答してくると予想されますので、ここで点を落とさないよう注意が必要です。
どんな参考書がお勧め?
勉強の手始めにはマセマシリーズがお勧めです。
・ラプラス変換キャンパス・ゼミ 改訂5 [馬場 敬之] (マセマ出版社)
(出典:Amazon.co.jp)
ラプラス変換の定義式に関する説明から始まりガンマ関数、ベータ関数、誤差関数のような特殊関数を学んだあと、ラプラス変換・逆変換が一通り学べるようになっています。
かなりわかりやすく説明が記載されているので、大学で初めてラプラス変換を勉強する方に向けてもお勧めの参考書です。当然ですが、例題や練習問題は必ずやっておきましょう。理解を深めるのに役立ちますし、基礎ができていないとこの後の過去問の演習や解答作成に支障をきたしますので。
正直なところ、院試対策でまともに制覇すべき参考書は上記1冊で十分だと思います。後は、解答を自作するうえで詰まるようなところが出れば大学内の図書館においてある参考書などを漁って類題を探すくらいで十分かなと考えています。
対策
当然ですが、ラプラス変換は逆変換とセットで習熟しておく必要があります。
よく暗記ゲーとみなされがちですが、定義に基づいたラプラス変換後の式を導出させられる問題も院試では出題されるので、最低限の計算は卒なくできるように準備しておく必要があるでしょう。
但し、難易度はそれほど高くないので、上記のマセマシリーズで基礎を固めてしまえば、後は過去問と古典制御工学の勉強で十分補完できると考えています。
個人の好みかもしれませんが、ラプラス変換は微分方程式を解くための手法の一つなので、先に微分方程式を固めた方が理解が深まるかもしれません。この辺りは自身の理解度と専門性も踏まえて判断した方が良いと思います。
ラプラス変換の応用先
ラプラス変換は微分方程式のを解くための手法の1つとして使われるので、いろいろな分野への適用が予想されます。
航空宇宙工学専攻向けには特に以下の専門科目との親和性があります。
- 制御工学(古典制御工学)
ラプラス変換は専門科目の中でも古典制御工学との関連性が深い分野になります。立式した微分方程式を伝達関数として処理・評価していく際にこのラプラス変換が必要になります。
線形代数ほどのインパクトはないですが、制御工学を優先して固めたいならラプラス変換の勉強は優先度を上げた方が良いでしょう。
私は制御工学を優先して勉強を進めたかったこと、数学の中でも比較的解答を作りやすかったことから線形代数を一通り勉強した後でこの分野を固めました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ではまた次回お会いしましょう!
コメント