大学院の外部受験は思った以上に難しい

大学院入試

 皆さんこんにちは。宙野です。今回は自身の経験をもとに大学院の外部受験の難しさと準備したほうがいいことについてお伝えしていきたいと思います。

外部受験の難しさ

 まず、皆さんに覚えておいて欲しいのは、外部の大学院に進学するのは自身の所属する大学の院に進学(内部進学と以後表現します。)するよりもはるかに難しいということです。大学院の受験(特に工学系)は自身の所属する大学の大学院に進学する人が大半だと思います。

なぜ大学院の外部受験は難しいのか?

 これにはいくつかの理由があります。

理由1:過去問と解答が入手しづらい

 色々な要因はあると思いますが、外部受験の難易度を最も高めている要因は大学院入学試験の過去問と解答が入手しづらいことにあると思っています。学部受験の時には赤本や予備校が執筆している本に各大学の問題と解答・解説が載っており、私も含め多くの受験生が利用していたかと思います。その過去問がほとんど手に入らないこと、解答が手に入りづらいことを想像していただくと理解しやすいかと思います。

 基本的に大学院入試の過去問は各大学の生協や購買部で買えますが、販売しているのは直近の2-3年分を1冊にしたものであることがほとんどです。試験の傾向や難易度、特徴を把握するには足りないので、多くの内部受験生は学部4年の研究室配属後、先輩や研究室が保有している過去問やその解答をもらい勉強を進めます。解けなかった問題は内部生同士で情報交換をして解答の更新をするようなイメージです。(すべての大学が上記の通りではないと思いますが、大体どこも似たような感じになっているようです。)

 ただし、外部受験となると問題や解答をもらうつてがないことが多いので、内部生と比較すると準備に時間がかかる場合が多いです。また、自分の作った解答の答え合わせがやりづらいです。そのため、解答が手に入らない場合は入念に準備する必要があります。

 私の場合は東京大学大学院 航空宇宙工学科を目指していたのですが、周りに東大生の知り合いもおらず、過去問の解答をもらうつてもなかったので、すべて自分で自作する必要がありました。

 今でこそ、数学など一部の科目はメルカリやヤフオクで作った人が売ってることもありますが、私が受験生だったころはブログでの受験体験記も含めてほとんど情報がありませんでした。

 理由2:外部受験をする人が周りにいない

 これもなかなか辛いものがあります。外部受験をする場合、周りに外部受験をする人がいないことが多く、相談しづらいと思います。私が受験した時は周りには私しか外部受験をする人はいませんでした。

 自身の経験上、外部受験をする場合、似たような学科であっても大学院によって課される試験の分野や傾向、難易度が全然違うので勉強のペース配分が難しいと感じました。

 勉強していく中で生じる疑問点や解答の妥当性について議論をする相手がいないので解答の妥当性確認は難易度が上がると考えています。

 上記のように勉強を進めていく上での疑問解決や答え合わせ、進捗度合いの管理などについて周りに相談できる人がほとんどいない中で進める必要があるので、内部受験よりもやりづらさはあります。

理由3:メンタルコントロールが難しい

 相談できる人が周りにいないということは、自身が抱える不安や葛藤を誰かに打ち明けるのが難しくなります。私の場合は実家から大学が遠かったので下宿をしていたこともあり、親兄弟も含めて相談できる相手が全くいませんでした。

 スケジュール管理と研究の準備をしつつ、昼夜を問わず解答作成に注力していると今が昼なのか、夜なのかわからなくなり、うつ病に近い症状が出ていたのを覚えています。

理由4:大学院の入試日程が被っている

 学部にもよりますが、工学系は大抵入試の日程が被っており併願が難しいです。

 私が受験した頃と違って昨今の東大の航空宇宙工学科は入試日程が2日程度になっているので、他大学との日程の重複は今はそこまで大きな課題にはなっていないように感じました。

 私が受験していた当時は5日間だったと記憶しています。詳細日程については別記事で記載したので良ければご覧ください。

 他大学は大学によりけりですが入試日程は大抵2,3日程度です。少なくとも私の所属していた名古屋大学工学部 機械・航空工学科(現:機械・航空宇宙工学科)は東大の航空宇宙工学科とほぼ毎年のように日程が被っていました。

 以上のように大学院の外部受験をするうえで障害となる要因をいくつか挙げました。難易度は高いですが、準備時間は早ければ早いほど難易度は下がっていくので、大学在学中に外部受験をしたいと考えたなら早めに情報を収集して対策をしたほうが良いと思います。

 では、次回もお楽しみに!

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