こんにちは。宙野です。前回の記事では大学院入学試験において外部受験を難しくしている要因について説明しました。
この記事では、外部受験を実行するにあたり、やっておいた方が良い対策についてまとめたいと思います。
研究室訪問は必ず実施しよう
研究室訪問は大学院受験において最も重要なポイントだと思います。受験前に必ず希望配属先の教授に事前に連絡を取って主に以下のポイントに注目して話を聞きましょう。
- どのような研究テーマがもらえそうか
- 研究活動の進め方について
- 自身の興味と研究分野がマッチしてそうか
- 外部受験生の受け入れに前向きかどうか
研究室によっては外部受験生の配属について後ろ向きな先生もいらっしゃいます。そのような場合、せっかく入学できても希望の研究室に配属できない可能性もあるので、注意が必要です。
研究室を訪問する前には最低限以下のような整理をしておくとよいと思います。
- 自分がどんな分野に興味があるのか整理する。
- 訪問予定先の研究室でどのような研究をやっているのか?
- 訪問先の研究室が出している代表的な論文を読んでおく
上記を基に訪問した時には研究の進め方(研究室の方針)や研究室のオリジナリティが整理できるような質問をしていくとよいかと思います。
例えば、その研究室が独自に衛星を開発する技術を持っており、研究の成果を実際の宇宙機に搭載し、軌道上で実証できるとか、その大学にしかない研究設備があるとかですかね。
気になる研究室が多い場合、例えば学園祭や高校生向けのオープンキャンパスなどのイベント時にキャンパス訪問するという手もあります。そうしたイベントでは各研究室の紹介をしているコーナーがあると思うので、そこでまとめて実際に研究をしている先輩方に直接質問ができるかと思います。(東大の場合はさつき祭(学園祭)の時に研究室の概要を見て回れる機会があります。)
また、大学によっては大学院の入学試験説明会時に研究室訪問の機会を設けてくれる大学もあります。
過去問と解答をかき集めよう
可能な限り多くの過去問と解答をかき集めましょう。入試対策をするうえで過去問演習と対策は最も重要な要素を占めると考えています。同じ問題は出なくても似たような問題や考え方を問われることは多いので、過去問研究は可能な限り入念にやりましょう。
過去問研究を疎かにすると他の受験生が確実に完答してくるような問題を落とすことになりかねません。そのため、過去問の傾向と対策をするにあたって最低でも5年~10年分くらいはやっておくとよいと思います。
語学対策は早めに手を付けよう
大学院の入学試験で課される外国語はそのほとんどが英語で、TOEICかTOEFLを要求します。事前に希望進学先の大学院がどのような試験を出すのか調査し、ある程度の目標点を決めておくことをお勧めします。
これは私自身の最も大きな反省点だったのですが、英語の対策は可能な限り早くやっておくことを強くお勧めします。残念ながら語学はすぐには伸びないので、後回しにしていると悲惨な目にあいます。
私が受験生だった頃、名古屋大学大学院 工学研究科(特に航空宇宙や機械系)はTOEICの公式スコアまたはTOEFL iBTのスコア提出が必要でした。内部生はTOEICを受験する人がほとんどで、基本的に800点以上取ってきてました(私は英語が苦手だったので770点でした…)。
東京大学は学科によって違いがあると思いますが、大抵はTOEFL iBTかITPになると思います。私が受験した頃、航空宇宙工学専攻はTOEFFL ITPのみ有効(当日試験会場で受験する必要があった)でしたが、2024年現在ではTOEFL iBTでのスコアのみ有効となっています。
また、読者の方は既にご存じかもしれませんが、TOEIC向けの勉強対策でTOEFLの勉強は補完できると考えない方がいいです。
募集要項に目を通そう
毎年大体5月頃に各大学院が募集要項を開示するので、必ず手に入れるようにしましょう。
昨今は推薦入試の枠が増えたり、面接や英語のオンライン受験が要求されるようになったりなどの変化も出てきているので注意しましょう。
併願先を考えよう
「大学院の外部受験は思った以上に難しい」でも記載しましたが、工学系の大学院は入試日程が被ることが多いです。そのため、自身の第一希望が外部の大学院であるなら特に併願先を探しておくことをお勧めします。入試の日程は基本的には大きく変わることがないと思うので、受験する年のものでなくても募集要項などを確認して日程間を把握しましょう。
また、自身の所属する大学でも学科が違えば日程も変わってくることがあるので、他の学科の受験も考えてもいいかもしれません。
スケジュールを整理しよう
これはとても難しいトピックだと思います。前述で記載した通り、併願先もある程度決まっており、希望進学先の過去問やその解答があるならある程度計画が立てやすくなります。一方で、過去問やその解答がないとなると、自身で解答を作成するか市販の参考書で相当な演習を積む必要が出てきます。計画を立てたはいいものの、実際にはその通りにならないなんてこともよくあります。
とはいえ、目安は必要なので、多少スケジュールが遅れても取り戻せるように定期的にスケジュールを維持するためのマージンを入れておくとよいと思います。
外部受験する仲間を見つけよう
これも別記事で少し言及しましたが、周りに励ましあったり相談できる人がいるというのは非常に心強いです。勉強するうえでもメンタルコントロール面でも非常に重要なので、見つける努力をしてみるとよいと思います。院試の準備中は折を見てお互い気になっていることを相談するとよいと思います。
さいごに
大学院の外部受験はハードルがかなり高いものの、自身が希望する大学院に行きたいと強く望むなら外部受験であってもぜひやるべきだと思います。
一方、不十分な情報しか得られない、中途半端な気持ちで外部受験を考えていると感じるなら、一度自身のこれまでを振り返って続けるかどうかを考えてみるとよいかと思います。
では、今日はこの辺で。読んでくださりありがとうございました。
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