東大 航空宇宙工学専攻 平成25年 流体力学(午前)

流体力学

 東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成25年の流体力学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。

本問の収録先商品は以下です。

流体力学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679623a79b4c1904ae5e62aa>

総評

 ディフューザーと非圧縮性流体力学に関する理解を問う問題です。この問題では断面積が急激に変化するディフューザーと断面積が緩やかに変化するディフューザーの違いを考察させる問題になっています。

 出題者はディフューザーの断面積の変化の違いが非圧縮性流体にどのような影響を与えるのかを受験生に聞いてきています。

 前半の断面が滑らかに変化する管に関する考察と後半の断面が急激に変化する管に関する考察はどちらもほぼ同じ考え方で解答を進めることができます。

 出題者はこの前半と後半とであえて同じ考え方を使って受験生に解答をさせることで管の断面積による違いを考えさせようとしているように感じました。

難易度★☆☆☆☆

 参考書に手を出せば一度はやったことがあるような問題ではないかなと思います。問題の設定から回答の方針も立てやすく、解答に必要な計算量もかなり少ないです。

 よって本問の難易度は易しい★1つとしました。ここは完答を狙いたいところです。

解答の指針

第1問

1.

 管の入り口と出口の圧力差を求める必要があります。問題文では管の入り口と出口における流体の速度、圧力、管の断面積が与えられているので、流体の密度と併せてベルヌーイの式が立式できます。

 これで管の入り口と出口の圧力差が表現できますが、問題文の指示によると出口の流体速度は使ってはいけないようです。

 ということは出口の流体速度を消去する必要があるので、もう一つ方程式が必要になりますね。ではどのような物理法則を適用すべきでしょうか?考えてみてください。

2.

 入口の断面積に対して、出口の断面積が十分大きい場合を考えます。ということは、S1≪S2と1の計算結果を利用して近似計算をすればよいですね。

第2問

1.

 断面が不連続に変化する部分の流体の挙動を描画する問題です。ポイントは管の細い部分を流れているときの流線、断面が不連続になる部分の流体の流線、断面が拡大した領域の流体の流線をそれぞれかき分けるとよいでしょう。

2.

 問題文で運動量保存の法則を使うようヒントが出ています。ここでも出口部分での流体の速度は使ってはいけないように問題が設定されているので、もう一つ方程式が必要です。

 第1問の1を参考に考えてみてください。

3.

 これは第1問の2との結果比較をさせるための問題です。同じように近似計算の式を実施し、計算結果が第1問の2と異なることを確認できればOKです。

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