東京大学大学院 航空宇宙工学専攻 平成28年の流体力学(午前)についての総評と難易度、解答の指針についてまとめたいと思います。
本問の収録先商品は以下です。
流体力学<https://gakumon-tobira.stores.jp/items/679623a79b4c1904ae5e62aa>
総評
東大の航空宇宙工学専攻を代表するような問題です。圧縮性流体力学の特徴を超音速風洞を題材として取り上げ、問題としてきれいにまとめた1問です。
過去15年程さかのぼっても超音速風洞やシュリーレン法に関するトピックは取り上げられていなかったので、筆者目線からするとついに出題された…という感じでした。
とはいえ、圧縮性流体力学の解析をするうえでは超有名な手法と装置なので、勉強していなかった方はこれを機に勉強してもらえるとよいでしょう。
受験本番の当時を想像するに、過去問演習を含め、周辺知識の補強をする程度の余裕があった方はそれほど苦労することなく解答作成を進められたのかなという印象を持ちます。
とはいえ、これまでも流体力学分野は実験装置や実験データを題材にした考察問題を何度も出していたので、超音速風洞の特徴やシュリーレン法については対策して欲しいところです。
また、本問でも第4問で穴埋め問題が出ていますが、前問(ほぼ)語句問題なので他の穴埋め問題と比べるとかなり楽に対処できます。
難易度★★☆☆☆
過去問の傾向を踏まえると見慣れない問題ではあるものの、航空宇宙工学分野を学んできた学生であれば学生実験でやっている分野ですし、それ以外の専攻の方についても参考書やネットを漁れば必要情報は十分収集できる程度の難易度です。
加えて、過去問の傾向的に実験装置に絡んだ出題がされていたことから対策としては当然やっておくべき範囲の問題かなと思います。
計算量も少なめで、各問題とも解答の見通しも立てやすい問題でした。以上より、本問の難易度は易しめの★2つとしています。
解答の指針
第1問
問題文で与えられた式と流体が等エントロピー変化であるというヒントを基に計算を進めましょう。
第2問
流れの一様流の動圧を求める問題です。図1より、風洞の断面は一定とみなせるという仮定をしてよいと思います。
また、流れが等エントロピーであることを利用して、流体の密度ρと速度Vを比熱比、圧力、マッハ数で置き換えられるように式を整理しましょう。
第3問
これは超音速風洞の装置に関する説明問題です。これは知識問題なので、解けなかったか方はこれを機にネットや参考書を参照してしっかり復習してください。
第4問
シュリーレン法に関する説明文の穴埋め問題です。これも知識問題なので、解けなかったか方はこれを機にネットや参考書を参照してしっかり復習してください。
第5問
弱い衝撃波の式を基に衝撃波前後の流体の速度比が表現できそうです。これを使えばV1かV2のどちらか一方は文字消去ができそうです。
そのためにはもう一つ式を用意する必要がありますが…どんな法則を使えばよさそうでしょうか?考えてみてください。
最終的には温度T2について解かなければならないので、温度と速度を関係づける式が必要そうです。
第6問
超音速風洞内にあるスティングにかかる空力的な力に関する説明です。これも超音速風洞装置に関する理解がないと回答できないので、知識問題の類かと思います。
とはいえ、これまでの問題を使って考察もできると思うので、考えてみてください。
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